目指したのはzinkensdammというソーデルにある地下鉄の駅の周辺。この辺りにはストックホルムで一番センスのいいビンテージショップがあったりする。そこからちょっと奥に入っていくとskinnarviks bergetという丘に行きつく。ここからはストックホルムの北側が一望できる。ここに行きつく界隈が素晴らしいのである。
素敵な要素として、建築、雰囲気、その連続性。圧倒的である。また、ここもインナーシティーのど真ん中。よってアクセスもすごく便利。にもかかわらず、静かで緑も豊か。言うことなしである。かつての労働者街・貧民街の建物でソーデルに唯一残る一群を1960年代にリノベーションして、今は普通に賃貸しているらしい。
逆に、欠点は・・・思いつかない。当然街並み保全の対象なので勝手なことができないというのはあるだろうけれど、それはストックホルムのインナーシティーのほとんどの場所が適応されるし、市民が町並みに貢献するために出窓を装飾したりするのがごく当然の文化のように見えるこの町では、勝手なことができないのは欠点ではなくむしろプライド・イメージアップになる気がするし。もちろん手入れによりコストがかかるということはあるだろうけれど、それもやはり同様のことが言えると思う。日本でも古民家のリフォームが流行っているけれど、それをする人がそのコストや外見を変えられないことを不満に感じることはあまりないと思うし。実際わからないけれど。
好機は、他の観光地から離れていること。よって、当然人の流れが少ない。人ごみの旧市街も素敵だけれど、人気のないこの辺もまったく異なるベクトルで素敵だと思う。また、保全指定区域であること。まちづくりが文化として根付き、住民参加による近隣住民の意思が開発に待ったをかけられるようなこの町では、いきなり理不尽な開発は行われないだろうが、素敵な雰囲気が維持されるための仕組みが幾重にもあるのは心強い。
最後に、脅威は、災害だと思う。古い木造建築ということもあり、きっと火事には弱いはずだ。さらに、道が細く、消防車がなかなか入りにくかったりもするため、もし火事が発生したら、恐らく壊滅的なダメージを受けるように思う。
そういう界隈である。すでにとても素敵な界隈ではあるが、さらにここを素敵にするためには、界隈を少し潤す井戸か何かがあってもいい気がする。それがほんの少し、適度な湿り気を醸し出し、道路が舗装されておらずほこりっぽい空気を緩和し、火事なんかが起こる可能性を多少減らせるように思う。
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