2010年1月31日日曜日

車道から栄にかけての道路に自転車道路の提案、その2。cycling pathway2

前回、せっかく提案的なことをしてみたのに、その動機やら何やらを書いていなかったことに気付く。ペイントを使ったことに興奮&満足をしすぎていた。そこで、なぜ自転車道路化計画なのか、どうやるのか、この計画が与えるインパクトのSWOT的な分析などなどを考えてみることにする。

まず、最初に、なぜ自転車道である必要があるのか。最初に答えを言うと、これは環境・需要・個性の面からそうあるべきだと感じたためである。最初、私はここをトランジットモールにして、自転車と公共交通機関(できればトラム)とあとは歩行者が行き来できる環境にすることを考えた。けれど、先述したとおり、お隣には桜通。その下には桜通線という地下鉄が走っている。広小路通の下にも東山線が走っている。なので、トラムを走らせる意味がないことに気付いた。ぜひいつかほしいけれど。

で、公共交通機関を入れずに、何か個性を創出できる企画として何が思いついたかというと、私が渇望する自転車道である。名古屋は道の広さ(と運転の荒さ)で日本では有名であり、当然歩道も広い。歩道部分には自転車優先道路も設けられている。が、ここはしばしば駐輪場となっていたり、まったく無視した歩行者がのんびり歩いていたりしている。さらに、むだにクネクネtraffic calming的なことを自転車道に適応していて、自転車をこがせにくくしていたりする。完全に規制すべき対象がおかしい。これは桜通の歩道にも言えることである。しかし、これは世界的な流れに完全に逆流している。自転車は超環境にやさしい交通手段である。エコカーなんて比じゃない。COP10のホストをはじめ、環境先進都市を目指す名古屋にとって、自転車専用通勤道路を整備することは絶対にプラスなのである。また、町を歩いていても、けっこう本気自転車で疾走する人たちを見かけることは多い。この点で自転車道路の需要は確実に高いと考えられる。さらに、道路に意思・目的・個性を持たせることがきっとこの界隈をより優れた空間にしていくと思う。このように、環境・需要・アイデンティティなどの面から、私は自転車道路を提案した。

第二に、これをどう実行するのかを考えてみる。一番の問題は、ルール作りである。自転車優先道路があるにもかかわらず、それ以外の用途に用いられるのが一般的な我が国において、まずすべきことは、「この道路が自転車専用道である」というPRをすることである。啓蒙である。手っ取り早いのが、ブランディングである。まず名前をつける。車道から久屋大通につながる自転車道だから、仮に「車久ライド(シャークライド)」とする。コンセプトは「ゼロエミッション道路」。地図にも載せる。市の広報で車久ライドについて宣伝する。もちろん車のように、西に向かう自転車と東に向かう自転車が走るレーンは別のを用意する。最初のうちは指導員が立ち、規則を指導する。先回は道の端に並木と書いたが、中央分離帯的な並木にするのもありだと思う。我々はバカではない。知らなくても教えられればわかる。さらに、逆走する行為が危険だったりこぎにくかったりすれば、いくらなんでも気付く。こうすることで、車久ライドはチャリダー通勤者に知られるようになり、徐々に一般にも普及していく。

最後に、この計画の考えられるインパクトについてSWOTで考える。

Strength(強み)は

  • 環境にやさしい。
  • この界隈の知名度アップ。
  • 歩行者・自転車が分離することにより、安全で事故が減る。
  • こういうアメニティーを歩行者が好むことにより、人の流れが増え、それを目的にした経済が成長する。
  • いいアメニティーの空間を会社は立地を選ぶ傾向にあることが証明されているから、経済活動はますます盛んになる。

などが考えられる。

逆にWeakness(弱み)は

  • 住民で車に依存している人たちは困るかも。
  • ・・・。コストくらいかしら。これ以外は、自転車道路がほしすぎる私には考えられない。

続いて外部要因のOpportunity(好機)として

  • この道路の存在が日本中のチャリダーに知られることにより、車久ライド界隈に多くの1次的・2次的な自転車系資本が流れ込むはず。

逆にWeakness(脅威)は

  • 今までここを使っていたドライバーが他の道路を使うようになるため、隣接する道路での渋滞がより深刻になる。この点で環境に対してはマイナスかもしれない。

などが今だけでも思いつく。

弱みに書いた、ドライバー住民への悪影響は、おそらくあまり深刻にはならないと思う。そのために一方通行の道路を残すのだから。また、脅威になりうる他での渋滞の発生については、公共交通機関や車久ライドを使うことにより、よりスムーズに通勤・移動できることがわかれば、自然にそっちに移ると思う。もしだめならば、インセンティブをつくる。公共交通機関の割引とか、定額料金制にするとか。そもそも、車のニーズにあわせた道路づくりをする必要性がおかしいのだ。きりがない。そして人口減少時代が到来している。それだけ作ったのを、将来だれが利用するの?だれが維持するの?維持費はだれが払うの?そういうことを考えたら、車専用道路はこれからは減らしていった方がいいに決まっている。と私は考えている。

今後、まちづくりでキーになってくるのは「人口減少」「高齢化」「環境問題」の3点だと私は考えている。確かに高齢者が自転車をぶっ飛ばすことは少ないかもしれないけれど、それは車にも言えること。自転車と車では道路に与えるダメージがかなり異なると思うし、この点で自転車道路のほうが人がいなくなったときの維持が楽になるように感じる。また、使える資源が限られていて、それでも経済的な成長を目指したいのであれば、資源を使わないでも成長できる戦略を考えるべきである。この点、自転車道路がもたらしうる経済効果や環境への好影響は、多くの面でwin-winな解決策になりうる。つまり、スマートグロース戦略なのだ。

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