が、行ってみて驚いた。その大学&大学病院もモダンないい雰囲気の建物で、いい感じなのである。確かにスケール感はものすごいでかいのに、歩行者と自動車の道のレベル分けをすることによって歩行者も快適に歩けるようにされているし、道路もスケールの割に、片道1車線しか供給されておらず、結果的にあまり車の流れが激しくないようにされていた。たぶん、バスがメインの道で、一般車両は周りのバイパスを走れるようになっているのだと思う。もちろん、金曜の夕方ということで、平日の様子とは大きく異なるのだろうけれど、この高質なインフラはラッシュ時でも問題なく対応できると思う。
また、建物群は恐らく、60年代に100万のアパートを造ろう的なポリシーの、悪名高きミリオンプログラムで建てられたアパート群である。が、圧倒的に素敵なのである。きっとかなりの金額をかけられて改修されたのか、全然味気なくないのである。建物の外壁を様々な色で装飾することによって、無機質な箱が急にかわいらしく見える。また、新しく違う箱やバルコニーを横付けすることにより、より複雑な形の建物が簡単にできあがり、これもまたいい工夫だと思う。円形の窓もかわいらしいし、それが移民系住民の衛星放送受信アンテナとすごくマッチしていて、偶然なのかもしれないけれど、考えてるなーなんて思った。窓辺をうまく装飾して外を歩く人の目を楽しませるのは、きっとこの国の文化なんだろうけれど、それもなんとなくエキゾチックな装飾が施されていたりして素敵だった。
さらに、建物を取り囲む空間もまたナイスで、野ウサギなんかも出てきた。人が快適に暮らせる工夫もたくさんされていて、かなり感心した。
さらに、移民コミュニティーのニーズを満たす食材ショップも充実しており、歩いたり食べたりショッピングしたり、普通に1日楽しめる空間だと感じた。
日本でもこういった感じの集合住宅・団地はそこらじゅうにある。けれど、千里しかり多摩しかり、かつて栄えた面影はあまりなく、今は高齢者社会になってしまっている、というのを聞いたことがある。その中で新たな取り組みとして、例えば、いざという時に助けるという条件?で大学生を格安で住まわせている集合住宅もあるらしい。そういったソフトの取り組みももちろん有効だけれど、身の丈に合った範囲内での思い切ったアップグレードを敢行することにより、また若い人にとって魅力な空間を創出できるようになると思う。もちろん、スウェーデンの集合団地がどこもこんなに見た目に魅力的であるわけでは全然ない。むしろ、授業では「ミリオンプログラムは失敗だ」的な内容をインプットさせられている。けれど、実際にこういった、少なくとも私の眼には成功と映るような事例もあることは間違いない。フレミンスベリはきっと、老朽化&住民転出&高齢化に悩む様々な集合住宅にとって、すごくいい見本になるように感じた。
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