私が歩いたアンストルター・ピッテンウィーム・セントモナンス・エリーの4村はどれもとても小さい。アンストルター(&ケラダイク)が3600人(微増中)、ピッテンウィームは1650人(減少中)、セントモナンスは1335人(減少中)、そしてエリー(&アールスフェリー)は962人で減少中である。人口は2006年のデータ。3村は2001年から比べいずれも100人も減っている。5年で約10%の人口減である。大変なことだ。
日が傾き始めたころ、西の空から晴れ始め、夕焼けに見とれていた際、エリーに退職後移住した御夫婦にコーヒーを誘われいろいろとお話を聞かせてもらった。もともとアンストルターとピッテンウィームは漁村で、エリーは富裕層の別荘の町だったらしい。実際、アンストルターにはスコットランドで一番おいしいfish and chipsが食べられるお店があるらしいし、ピッテンウィームでも船を修理しているおじさんたちを見かけた。エリーも、もともと富裕層の別荘地であったとはいえ、漁師もたくさん住んでいたらしい。が、最近は漁師は都市の富裕層に家を売り村を出て行き、夏以外は人のほとんどいない町になってしまったらしい。つくづく、抱えている問題はどこも一緒なんだなーなんて実感した。
そんなエリアで私が感動し勉強になったのは、村をつなぐ街道沿いの風景である。昔のお城の廃墟や工場の跡、風車なんかが点在していて、それ以外は牛がたまにいる牧草地と海。散歩道は整備が行き届いてる。1000人しか住まない過疎の村同士をつなぐ道が整備されていることに感動し、「きっと100年前にもこの風景はあって、100年後もこの風景はあるんだろうなー」なんて思ったら本当に感動し、勉強になった。保全することの大切さ、継続することの大切さ、次世代に繋ぐことの大切さ。そういうものを学ばせてくれたように感じた。また、御夫婦や後日出会った大学教授がunspoiledという言葉を使ってこのエリアを形容していたのが印象的だった。変わっていないのではなく、損なわれていない風景。適度な手入れが行き届き、悠久の時間が流れる空間。打ちひしがれた。
御夫婦にコーヒーを御馳走になった後、おじいさんと海辺まで出た時、夕焼けの中渡り鳥の群れがドーバー海峡を超え、フランスに向かって飛んでいくのを見た。渡り鳥を見れたのは圧倒的な偶然・幸運ではあるが、きっとこの光景も何百年も前から変わらずあって、今後も守っていく・守らなくてはならないものなんだなーなんて感動した。
そんな感動にひたってしまったEast Neukでした。
今年4月にEast Neukへ行く予定です。記事も写真も良いですね。
返信削除「ハードコア散歩」とありますが、本当に徒歩でずっと歩かれたのですか?もしそうならそのルートはどこで入手されたのでしょうか?是非私たち夫婦も行きたいです。
ずいぶん遅くなってごめんなさい!
返信削除僕がルートを入手したのはセントアンドリュースのツーリストインフォです。あの辺りで面白そうな場所を聞いたら紹介してくれました。