順番としてはちゃんとインタビューのまとめを載せるべきなんだろうけれど、勢いにまかせて今回はやっと終わりが見えてきた修論の結論を紹介する。
私の修論の目的は、シュリンキングシティーと呼ばれる人口減少が進む都市について知識を深め、そこで何か可能性を見つけてそれを育てるためにはどうしたらいいかを考える、といったようなも。そして、そのためには、調査を始める前から、「スマートグロース」「クリエイティブ」と「都市ブランディング」という3つのコンセプトがカギになる、と仮定して研究をし始めた。
で、その結論というのが、約50ページ端折って、佐渡のブランディングの提案になった。で、私が行きついた提案というのが、「Sado, the city of rediscovery」、つまり、「再発見の町・佐渡」というブランドである。けれど、この「都市名、the city of~」というのがあまりにも多すぎで嫌なので、「ReDiscover Sado」にした。で、sとSに佐渡島の形を使った。RとDを大文字にしたのはDiscoverとRediscover、発見と再発見の両方をアピールさせるため。
で、なぜ再発見かというと、いくつか理由ある。ひとつ目は、いつか書いた、佐渡観光協会のPure Japanというのが関わってくる。このPure Japanというのは、「日本の伝統的な自然との共生が・・・」というものらしい。これは、かなり多くの日本中&世界中の人々が忘れてしまった価値のように感じる。それを訪問者は佐渡で再発見するのである。また、アンケートで何名の方が仰っていたように、佐渡の良さを知らない佐渡市民に、佐渡の良さを再発見・再認識させる、そんな意味もある。さらには、佐渡外部の人々にまず佐渡を発見してもらい、さらにもっといろんなものを再発見させる、というリピーターを増やす戦略も含まれる。さらにさらに、人的資源である創造性を活かすことが経済発展の基礎になる、というのを大人気学者フロリダが唱えているが、その創造性(クリエイティブ)を経済発展のためというよりも地域社会のために活かすという素敵な人々である、社会起業家の価値やその役割を発見・再発見できる島にする、というのもある。最後のは佐渡でお世話になったTさんにもらった概念であり、修論の最後で大活躍している。
で、スマートグロースがどこにかかってくるかというと、このプロセス全部である。ただ、佐渡はシュリンキングシティーなので、スマートシュリンケイジという新たな考え方を創りださなければならない。スマートグロースは、量的な成長(人口や経済)が質的な低下(環境破壊とか)を招くのを防ぎ、その両方を向上・バランスさせるものである。なので、逆に、スマートシュリンケイジは、質的な成長(空間の有効活用の可能性)を量的な成長(経済発展)に結びつけるという概念であると仮定し、その空間の有効活用をクリエイティブが刺激する、そんな感じで、やはりブランディングに活かす。
ちなみに、このスマートシュリンケイジという考え方、まだ実例はない。ryot発である。ただ、ちゃんとサポートもある。NIRAという日本のシンクタンクレポートでも縮小都市でのスマートグロースを提案しているし、2009年5月にはEuropean Commissionが「SHRINK SMART」という3年間のプロジェクトを7カ国合同で開始したばかりである。なので、もし、本当に佐渡のことを考えるなら、佐渡をスマートシュリンケイジの世界最初の都市であることを宣言し、さらにそれを実現させるための効果的な都市ブランディング戦略(、私の場合「ReDiscover Sado」)を宣言すべきなのだ・・・。
(ちなみにちなみに、スマートシュリンクというのはあるようだ。まだまだググってもヒットはほとんどないくらに少ないけれど。これは「持続可能な地域の形成を目指す成長管理を意味するスマートグロース(Smart Growth)の対語で、絶対的な人口減少下で住民の生活の質(Quality Of Life)を維持・向上していくための地域マネージメント手法を総称する概念。地域が、積極的に公共事業や公共サービスの供給を効率化する一方、特異性を見出して地域間の競争力を確保するなど、「賢く、縮小していかなければならない」ということを意味している 」(http://www.machinakasaisei.jp/project/terms/index.html) というものらしい。ちょっと似てるようではあるが、違いは生活の質・質的な成長の向上を目的とするか、手段とするか、というところに違いがある。偉そうに言えば、シュリンクの方は生活の質の維持・向上の達成のためには「効率的」な公共が介入しなくてはだめそうな雰囲気が漂う。逆に、シュリンケイジの方は、質的な成長をチャンスととらえて、それをソーシャルビジネスに結びつけるという、自立心&野心を失わない。例えば、公共交通を考えると、シュリンキングシティーでは公共サービスの効率を求めるが故に誰も使わない&1日に数えるほどしかないサービスになってる。これをビジネスチャンスと捉えられたら、それは社会起業なんだと思う。もちろん、ビジネスと捉えるというのが、いわゆる金儲けのビジネスではなくて、地域に貢献するためのビジネスである必要があるけれど。というか、そもそも比べ方が間違ってる気がする。スマートグロースが量と質の両方を向上させるために効率を上げ、そのためにコンパクトシティーを目指すというのは圧倒的に正論だと私は思うが、シュリンキングシティーにおいて、密度はかなり低くなっているのに、そのことに関しての比較がなされないのであれば、それはおかしいし、言及がないのも意味がわからない。この低い密度こそ、活かすべき手段なんだと私は思う。まー、でも地域間の競争力とか、賢く縮小というのはとてもいい。もちろん、大都市との補完性とセットであるべきだと思うが。)
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という支離滅裂な議論を今片付けてます。言うは易し。こんな理想的なことができれば苦労しないんだろうけれど。もちろん、論文にはもっと違う肉もついてます。もっとサイエンスな肉。
ちなみに、なぜ再発見の町・佐渡ではなく、英語でやるかというと、それは当然、そっちの方が圧倒的な量にアピールできるからである。日本で人気のゆるキャラでは外にアピールできない。もちろん創っちゃいけないわけではないと思うけれど。
なぜか最近全身気だるくて、すぐに疲れて眠くなるのに、いざ寝ようとすると全然寝れない、という理不尽な状態が続いております。論文の締め切りがいよいよ近づいてきているストレスなのかしら。で、今回は寝ようと努力したのにどんどん頭が冴えてきてしまった勢いで書いたので、いつも以上にぐちゃぐちゃなのをお許しください。
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