2009年7月23日木曜日

sado, niigata. 佐渡、新潟 その④

かなり滞ってしまったが、佐渡編も進めないと。せっかく頂いたアンケートやインタビューではあるが、一度論文用に集計してしまうとそれだけで満足してしまっていた。両立させないと。

今回はアンケートの二問目、佐渡の強み・好きなところについてである。アンケートを集計し、環境資源、文化資本、人間資本・社会資本、その他の4パターンに分けられた。

環境資源

  • 自然 91
  • 食べもの 12
  • 自給自足な感じ 9
  • 島であること 5
  • 風景 5
  • 空気 4
  • 空 3

文化資本

  • 伝統芸能 15
  • 歴史、ルーツ 12

人間資本・社会資本

  • 人と人情 28
  • 人ととのつながり 11

その他

  • ゆったりとしている 14
  • お金がかからない 4
  • 暮らしやすい 4
  • 治安がいい 4

と、こんな感じであった。1票しか入っていないものも含めるともっとたくさんの意見を頂いたのだが、割愛させていただいた。

これだけを見ていると、佐渡に住む人たちが何故佐渡を離れなければならないのか、かつて1950年には12万5千人もいたのが今日では6万5千人しかいなくなっているのか、理解に苦しむ。

日本の地方都市が人口縮小に苦しむ主な理由が「2・3の大都市への過度の集中」とあった。しかし、あれだけ豊かな自然があって、おいしいご飯が食べられるエリアであれば、うまくブランディング戦略をしてさえいれば、絶対に違う方向に向いていたように思う。そうすることにより、もしかすると佐渡の良さが失われてしまっていたかもしれないけれど、なんだかもったいないように感じる。

もちろん、開発・発展だけが大切なことではないのはわかる。なので、人口が減っていく、衰退していく自治体をとても魅力に感じることも多々ある。それは、都市型のアメニティに代わる田舎型のアメニティを多く供給してくれるからである。佐渡の美しい自然や感動した夕焼けなんかは、まさにそれを表している。にもかかわらず、そういう魅力があるにもかかわらず、都市型であろうとしてきてしまっていたりするのも事実で、ここでは矛盾が生じる。縮小を受け入れ、今ある最大の強みを活かした戦略を考えないといけないんだろうなー。佐渡婦人会のYさんや消費者協会のHさんとインタビューをしていた際に、「佐渡は佐渡であるがために、全国画一(東京の模倣?)であることを望んでしまったが、そうではない生き方も今後は必要だよね」というお話を頂いたが、まさにそのとおりである。佐渡型のパラダイム、佐渡に誇りを持たせるパラダイムというのが浸透していけば、きっととてもワクワクする佐渡がつくられていくと思う。

まとめるのが難しい。

2009年7月22日水曜日

gärdet, ヤーデット

私がここで住んでいるのはヤーデットという、ストックホルムのインナーシティー内にありながらかなり緑の豊かな地域である。というわけで、早速ここについてちょっと考えてみる。

ヤーデットの強み(S)は、なんと言っても豊かな自然と都心へのアクセスのよさ、だと思う。実際、ヤーデットというただっぴろい草原はかなりの魅力だし、その裏にある林も素敵だ。野ウサギなんてしょっちゅう見るし、運がいいと鹿も出てくる。また、自転車で都心まで10分程で着けるのも素晴らしいし、公共交通機関もバスと地下鉄とかなり充実している。のんびり散歩するスペースやピクニックするスペースもたくさんある。さらに、フィンランドのヘルシンキ&トゥルク、エストニアのタリン、ラトビアのリガへのフェリーもここから出ている。

弱み(W)は、住宅街に特化してしまったが故の不便さだと思う。実際、ご飯屋さんのバリエーションは少ないように感じるし、港エリア以外にはあまり職場もない。だから静かすぎる。住宅街だから仕方ないのだろうけれど。

外部要因の好機(O)は観光客であろう。朝フェリーが着く時間帯になると地下鉄の駅はとんでもないことになったりすることもある。どれだけ多くの財をこのエリアで落としていくかを考えると、たぶんかなりわずかではあるだろうけれど、船会社やその関連でのホテル業界ビジネスがなりたっているのを見ると、この観光客はけっこうないい刺激のように感じる。

外部要因の脅威(T)は、イメージと、ストックホルム内の新開発エリアと、起こらないとは思うが都市計画の暴走だ。まず、このエリアに関して、最近の若い人のイメージは「老人エリア」のようで、ここに好んで移り住みたがる人は少ないように感じる。私はこのエリアが好きで、ここに部屋を借りれたことをとても幸運に思うけれど。もちろん、相対的にはまだまだ人気の高いエリアなんだろうが、新開発の進むハマビーや、開発はなくても相変わらず大人気のソーデルなんかに比べると住みたがる人は少ないと思う。また、現在進行中のストックホルムの都市ビジョンでは、ここの港湾エリアが新たな開発対象地区になっている。それは素晴らしいことである。が、起こらないとは思うが、万が一都市計画が大暴走をして、住民がそれを制御できなけいという事態が生じた場合、ヤーデットの特徴である緑地までもが開発の波に呑まれてしまうかもしれない。

まーそんな感じのヤーデットである。

ところで、もう3週間も前になってしまったが、このエリアにあるtessinparkenという公園で、私の誕生日BBQを敢行した。私のお気に入りの公園で、天気がよければベンチや芝生でのんびりくつろぐことができる。

2009年7月13日月曜日

vaxholm, ヴァックスホルム

ずいぶん久しぶりになってしまった。

7月3日、ヴァックスホルムへ。ストックホルムリージョン内にある違う自治体で、ホリデイな感じのエリア。天気は一見素晴らしそうに見えたのに、突然雨が降ったり雷鳴ったり、多少曇ってさむくなったりと、残念ながらホリデイな感じを満喫するには物足りなかったけれど。

ヴァックスホルムには陸路(バス)、あるいは海路で行くことができるが、今回は海路で向かうことにした。約1時間の船旅である。到着後はとりあえずしばらく歩く。センターはとてもコンパクトでかわいらしい雰囲気。素敵な雑貨屋さんも数件あり、お土産屋さんしかないというわけでは全然ない。お洒落な雰囲気のレストランやバーもちらほらと。だけど、すぐ歩き終わってしまう。すぐ近くに隣接してる住宅街もとても素敵な雰囲気。けど、やはり歩けるレベルのセンターはあっという間に終わってしまう。なので、続いてビーチへ。気合を入れて水着持参で来たものの、寒い。さらに雷もゴロゴロ鳴りだす。結果、退散。その後は港あたりをまったりのんびり散歩して、オープンレストランで夕食を済ませ、また船に乗り込んだ。

あんまり考えながら歩いたわけではないのでなかなか分析をしにくいけれど、前回同様「歩ける・透ける・流れる・とどまる・混ぜる」という点とSWOTを考えてみたい。

Sはたくさんある。

  • 素敵な建築群。
  • コンパクトなセンター(歩ける)
  • ウォーターフロント(とどまる)

Wは何があるだろう・・・

  • 小さすぎる・・・かも。それくらいしか思い浮かばない。観光しすぎた。

Oは

  • 交通の便がいい(船&バス)なので人が流れる。さらに安く行ける。
  • 結果的にたくさん観光客が来る。それを狙うビジネスも来る。外貨獲得。
  • きっと、ストックホルムの富豪の中にはここにサマーハウスを所有している人もいると思う。

Tは

  • 実際、似たような観光地がストックホルム近郊には点在しているということ。とてもかわいらしいけれど、実際、スペシャルな感じはしない。シグトゥーナとかもセンターの雰囲気は似てる気がする。もちろん違うのだけれど。なので、観光客を取られうる。

こんな感じだろうか。

でも、夏の晴れた日に、船旅のちょっとスペシャルな感じを楽しめる日帰り遠出では一番気がらくなんじゃないかなーと思います。

提案をするとしたら、センターのショップをもうちょっと誘致できたらいい気がする。ストックホルムにあるものはいらない。なので、チェーン店はいらない。ここにしかない、ここに来たくなるような素敵なセンターを創造するのに貢献できるようなショップがもうちょっとあったら、多少寒くなっても行きたくなるような気がします。あとは、最低限、今レベルの交通網を維持することかな。